パテックフィリップのオーバーホールは、どのような作業が行われますか？

では、それぞれの作業内容をみていきましょう。

◆パテックフィリップのオーバーホール内容

①分解・点検
ムーブメントの取り外しと分解：​時計からムーブメントを取り外し、完全に分解します。​
部品の検査：​各部品を個別に検査し、摩耗や劣化を確認します。​
ケースとブレスレットの検査：​ケース、ブレスレット、文字盤、針などの状態を確認します。​

②洗浄・部品交換
部品の洗浄：​分解した部品を専用の洗浄液で洗浄し、汚れや古い潤滑油を除去します。​
部品の交換：​摩耗や劣化が見られた部品は、必要に応じて交換します。​
ケースとブレスレットの洗浄・研磨：​ケースやブレスレットを洗浄し、希望に応じて研磨を行います。​

③再組立・注油
ムーブメントの再組立：​洗浄後、ムーブメントを再組立てします。​
潤滑油の注油：​適切な箇所に新しい潤滑油を注油し、部品の摩耗を防ぎます。​
精度調整：​ムーブメントの精度や機能を調整し、規定の基準を満たすようにします。​

④防水性能チェック
シーリングの交換：​防水性能を維持するため、ケースのシーリング（パッキン）を交換します。​
防水検査：​防水仕様の時計の場合、防水性能の検査を実施します。​

⑤精度・動作確認
最終検査：​全ての作業が完了した後、技術的および美的基準を満たしているか最終検査を行います。​

⑥最終仕上げ
ケースやブレスレットの研磨仕上げ：​希望に応じて、ケースやブレスレットの研磨を行い、外観を整えます。​
リューズやプッシャーの動作確認：​リューズやプッシャーの動作を確認します。​
最終点検：​組み立て後に最終点検を実施し、オーバーホールが完了します。​

◆オーバーホール後の保証
パテックフィリップの正規オーバーホールを受けると2年間の修理保証が付与されます。この保証があることで、時計の資産価値を維持しやすくなります。

◆オーバーホール費用と期間（正規店の場合）
費用：約7万〜15万円（カラトラバ基準）
期間：6〜10週間（部品交換が必要な場合は3ヶ月以上）

下記もあわせてご覧ください。
▶︎パテックフィリップのオーバーホール費用はどのくらいですか？◀︎

オーバーホールを適切なタイミングで行うことで、時計の寿命を延ばし、精度を保つことができます。

「どのくらいの頻度でメンテナンスすればいいの？」と迷ったら、以下の記事も参考にされてください。
▶︎【高級時計4大ブランド】オーバーホールの費用相場と業者選びのポイント◀︎
▶︎【機械式3〜5年、クォーツ7〜10年】腕時計オーバーホール頻度・必要性◀︎