非正規店でオーバーホールを行うと、パテックフィリップの正規メンテナンスを拒否される可能性があります。
パテックフィリップは、時計の品質維持と資産価値の保護を目的として、正規メンテナンス履歴のある時計のみを受け付ける方針を採っています。
そのため、過去に非正規店でオーバーホールを行った時計は、メーカー基準を満たしていないと判断され、正規メンテナンスを拒否されることがあります。拒否される理由は、主に次の4つがあげられます。
① 非純正部品の使用が確認された場合
② ムーブメントの改変や不適切な修理が施されている場合
③ 防水性能がメーカー基準を満たしていない場合
④ 過去の修理履歴が不明確な場合
もう少しくわしくみていきましょう。
① 非純正部品の使用が確認された場合
・パテックフィリップは純正部品の使用を厳格に管理しており、正規ルート以外での部品交換を認めていません。
・非正規店では、メーカー指定の純正部品を入手できず、互換部品やリサイクル部品を使用するケースがあります。
・非純正部品が使用された場合、メーカーの品質基準を満たさないため、正規メンテナンスが受けられなくなる可能性が高いです。
② ムーブメントの改変や不適切な修理が施されている場合
・非正規店で修理された時計の中には、ムーブメントの調整方法が正規基準と異なり、オリジナルの設計を損なっているケースがあります。
・特に、永久カレンダーやミニッツリピーター、トゥールビヨンなどのコンプリケーションモデルは、メーカー独自の調整が求められるため、非正規修理歴があると正規メンテナンスを断られることがあります。
③ 防水性能がメーカー基準を満たしていない場合
・正規メンテナンスでは、防水パッキンの交換や気密性テストを実施し、時計の耐久性を確保します。
・非正規店では、防水テストが十分に行われていないケースがあり、防水基準を満たしていないと判断された時計は、正規メンテナンスを受けられなくなることがあります。
④ 過去の修理履歴が不明確な場合
・パテックフィリップは、時計の修理履歴を重要視しており、過去のメンテナンス記録が確認できない場合、メーカーの基準を満たしているか判断できません。
・非正規店で修理された時計は、メーカー基準のメンテナンスが行われたか不明なため、正規メンテナンスを拒否される可能性があります。
◆正規メンテナンスを受ける予定があるなら、非正規オーバーホールは避けるべき
パテックフィリップの時計は、資産価値を維持しながら長期間愛用できる高級時計ですが、非正規店でオーバーホールを行うと、メーカーサポートが受けられなくなるリスクがあります。
特に、純正部品の使用やムーブメントの調整、防水テストなど、メーカー基準を満たしていない場合、正規メンテナンスを拒否されることがあります。今後のメンテナンスや資産価値を考えるなら、正規のオーバーホールを選択することをおすすめします。