正規店で買えないのは、生産量の少なさはもちろんのこと、 ブランドが「本当に時計を愛し、長く使ってくれる人」にしか販売しない方針を取っているためです。 つまり、お金より“信頼関係”と“ブランド理解”が優先される傾向にあります。
■ 理由1:そもそも生産本数が少なすぎる
パテックフィリップは年間生産数を意図的に抑えているブランドです。機械式時計の中でも特に手作業の比率が高く、熟練職人による細やかな工程を大切にしています。そのため、人気モデルの「ノーチラス」や「アクアノート」は以下のような状態です。
モデル名 | 特徴 | 状況 |
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ノーチラス | スポーツウォッチの象徴的存在 | 世界的に需要過多。入荷即完売 |
アクアノート | 若い世代にも人気のカジュアルモデル | 予約停止店が多い |
カラトラバ | クラシックで上品なライン | 比較的手に入りやすい |
どのモデルも品質を落とさず作るため、“数を売る”ことを目的にしていないのです。
■ 理由2:転売対策で「誰に売るか」を厳選
パテックフィリップは、ブランド価値を守るために転売目的の購入を徹底的に防いでいます。正規店で販売する際は、「この人が本当にパテックを愛しているか?」を見極めるとも言われています。実際、こんな声もよく聞きます。
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「初めて来店したら、人気モデルの話題すら出してもらえなかった」
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「まずは別のモデルを買って“実績を作ってください”と言われた」
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「スタッフと信頼関係を築いたら、ようやく予約を案内された」
つまり、お金よりも“信用”が重視されるのです。
■ 理由3:人気モデルは予約すらできない
一部の正規店では、ノーチラスやアクアノートについて「現在ご予約は受け付けておりません」と明言しています。また、予約ができたとしても、「納期は未定」「数年〜10年待ち」といったケースも存在します。これは転売対策だけでなく、ブランドが長く付き合える顧客を大切にしている証拠でもあります。
■ 理由4:ブランド戦略としての「希少性」
パテックフィリップは“誰もが買えるブランド”を目指していません。「次の世代に受け継がれる時計」という哲学のもと、所有すること自体に“時間をかけて得た信頼の証”という意味を持たせています。このような販売方針は、ブランドの価値を守るためでもあります。
■ では、どうすれば正規店で買えるの?
「それでも正規店で買いたい!」という人のために、購入のチャンスを少しでも上げるためのアプローチを紹介します。
方法 | ポイント |
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エントリーモデルから購入する | 比較的手に入りやすいドレスモデルで実績を作る |
店舗との関係を築く | 定期的に訪問し、時計談義でスタッフに覚えてもらう |
人気モデル以外を狙う | スポーツライン以外は比較的購入チャンスあり |
長期的な視点で考える | 数年単位で関係を育てる気持ちが大切 |

地方にお住まいのお客様の中には、「地元のデパートに入っているパテックフィリップのブティックで購入できた」という方もいらっしゃいます。ただし、あくまで職人による少量生産のブランドなので、人気モデルはすぐに手に入るわけではありません。
モデルによっては数か月、長い場合は1年近く待つこともあります。たとえば、あるお客様は「カラトラバを注文してから受け取るまで約7か月待った」とおっしゃっていました。
一方で、お住まいの地域に正規ブティックがない場合は、東京・名古屋・大阪といった大都市の店舗まで足を運ぶ必要があるのが現実です。正規店の所在地はパテックフィリップの公式サイトでも確認できますし、直接問い合わせて在庫状況を聞くのが一番確実です。
■ まとめ
パテックフィリップが「正規店で買えない」と言われるのは、単なる供給不足ではなく、ブランドの哲学と信頼重視の販売方針が理由です。
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生産数を絞り、品質と価値を守る
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転売対策を徹底し、顧客を選ぶ
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希少性を維持することでブランド力を高める
つまり、「手に入りにくいこと」自体が、パテックフィリップというブランドの“魅力”でもあるのです。