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コラム

2025年06月02日

【機械式3〜5年、クォーツ7〜10年】腕時計オーバーホール頻度・必要性

その他の時計情報 【機械式3〜5年、クォーツ7〜10年】腕時計オーバーホール頻度・必要性,アイキャッチ,Asia Watch Trade

時計のオーバーホールは、精度を維持し、長く愛用するために欠かせないメンテナンスです。ですが、オーバーホールのタイミングは時計の種類や使用環境によって異なります。

POINT機械式時計は3〜5年ごと、クォーツ時計は7〜10年ごとが一般的な目安
・アンティーク時計や特殊モデル(クロノグラフ・トゥールビヨン)は、より短い間隔でのメンテナンスが必要
・高湿度・海水環境で使用する時計は、通常より早めのオーバーホールを推奨

オーバーホールを怠ると時計の精度が低下するだけでなく、部品の摩耗や劣化が進行し、修理費用が高額になることもあります。最悪の場合は修理不能となり、資産価値が大幅に下がることもあるため注意が必要です。

本記事では、高級時計買取に携わってきた筆者が、以下のポイントについてそれぞれ解説していきます。

この記事で知れること✔ 時計タイプ別のオーバーホール推奨頻度とその理由
✔ 時計のオーバーホールが必要になる4つのサイン
✔ オーバーホールを怠ることで生じる6つのリスク
✔ 時計を長持ちさせるための管理方法と保管のポイント

時計を最適な状態に保つための知識を身につけ、大切な一本を末永く愛用しましょう。

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目次

オーバーホールは時計タイプ別の推奨頻度がある

時計のオーバーホールは「ムーブメントの種類」「使用状況」「保管環境」によって最適なタイミングは異なりますが、時計のタイプごとにオーバーホールの目安はあります。

オーバーホールは時計タイプ別の推奨頻度,Asia Watch Trade

時計を長く愛用するために、適切なオーバーホールのタイミングを見極め、定期的なメンテナンスを行うのがおすすめです。ここでは、それぞれの時計タイプごとに適切なオーバーホール頻度を詳しく解説します。

1. 機械式時計(自動巻き・手巻き):3〜5年ごとが目安

機械式時計は、ゼンマイの力で歯車を動かし時間を刻む精密機械です。ムーブメント内部では複数の金属パーツが常に摩擦を起こしているため、オーバーホールは必須のメンテナンス。一般的に、3〜5年に一度のオーバーホールが推奨されます。

オーバーホールが必要な理由:油切れと摩耗

機械式時計は、ムーブメントの歯車や軸受けに専用オイルを塗布し、摩擦を軽減しています。しかし、時間の経過とともにオイルが劣化すると、次のような問題が発生します。

オイル劣化による症状・精度の低下:時間の進みや遅れが生じやすくなる
・パーツの摩耗:金属部品が直接擦れ、破損や歯車のズレが起こる
・オイル固着:油が固まることで、動作不良につながる

例えば、ロレックスのクロノメーター認定モデル(日差±2秒以内)が、日差±30秒以上になるようならオーバーホールを検討するタイミングです。

2. クォーツ時計(電池式):7〜10年ごとが目安

クォーツ時計は、電池の電力を利用してクォーツ(水晶振動子)を振動させ、時間を計測する時計です。機械式時計に比べて可動部品が少なく、摩耗の進行も遅いためオーバーホールの頻度は7〜10年ごとが目安です。

オーバーホールが必要な理由:電子部品の経年劣化

クォーツ時計は、精密な電子回路とギアボックスによって動作しています。長期間メンテナンスを行わないと、次のようなリスクが発生します。

電子部品の劣化による症状・回路基板の劣化:電圧が不安定になり、時間のズレが発生
・電池漏れによる腐食:電池の液漏れで回路がショートし、故障につながる
・潤滑油の乾燥:歯車の動きが悪くなり、動作不良が起こる

ポイントとして、電池交換のタイミングで内部点検を依頼すると、軽微な異常を早期発見できます。

3. アンティーク時計(ヴィンテージモデル):2〜3年ごとが目安

アンティーク時計は、製造から数十年が経過したモデルであり、定期的なオーバーホールが資産価値を維持する鍵となります。パーツの劣化が進みやすく部品調達が困難なため、2〜3年に一度のオーバーホールが推奨されます。

オーバーホールが必要な理由:経年劣化と部品供給の問題

定期的なOHが必要な理由・金属パーツの酸化:湿気や空気に触れることで錆が発生しやすい
・ゴムパッキンの劣化:防水性能が低下し、湿気が侵入しやすくなる
・部品供給の困難さ:生産終了モデルでは、部品破損時に修理不可能になる可能性も

例えば、ロレックスの「サブマリーナ(Ref.5513)」や「デイトジャスト(Ref.1601)」などのヴィンテージモデルは、オーバーホール歴が明確なほど買取価格が高くなる傾向があります。

4. 特殊モデル(クロノグラフ・トゥールビヨン):4〜5年ごとが目安

クロノグラフやトゥールビヨン搭載の時計は、通常の時計よりも複雑なムーブメントを持つため、4〜5年ごとのオーバーホールが推奨されます。

オーバーホールが必要な理由:繊細な構造と摩耗の進行

定期的なOHが必要な理由・ギアの数が多い:摩擦箇所が増えることで、摩耗の進行が早い
・精度への影響が大きい:わずかなズレや摩耗で、正確な計測が困難になる
・調整作業が難しい:一般的な時計よりも高度な技術が必要

例えば、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク・クロノグラフやパテック・フィリップの永久カレンダーモデルは、正規メンテナンスを受けることで資産価値を維持しやすくなります。

5. 使用環境で異なるオーバーホールタイミング

時計の使用環境によって、オーバーホールのタイミングは大きく変わります。次のような環境では、通常よりも早めのメンテナンスが必要になります。

環境要因によるオーバーホール頻度の変化

POINT◼︎高湿度環境(3〜4年ごと
・湿気がムーブメントに侵入すると、錆の進行が早まる
・防水時計でも定期的なパッキン交換が必要◼︎海水使用(2〜3年ごと)
・海水は金属を腐食させるため、ダイバーズウォッチでも注意が必要
・使用後は必ず真水で洗浄し、メンテナンスをこまめに行う◼︎磁気が強い場所(異常発生時に即点検)
スマホやスピーカーの近くで保管すると、磁気帯びによって時間のズレが発生
・進み・遅れが続く場合、即時のオーバーホールを検討

オーバーホールを検討するポイントの一つとして、「まだ動いているから大丈夫」ではなく、「時計が健康か?」と意識してみるのがおすすめです。

とはいえ、オーバーホールのタイミングとして症状が出てくることもありますので、次にオーバーホールのタイミングをチェックしていきましょう。

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オーバーホールの4つのタイミング【チェックリスト】

オーバーホールのタイミングを見極めるには、時計の動作不良のサインに注意することが重要です。内部の摩耗や油切れが進行すると、目に見える異常が発生します。
以下のチェックリストで時計の状態を確認し、適切なメンテナンス時期を判断しましょう。

オーバーホールが必要な4つのサイン,Asia Watch Trade

ここからは、それぞれの症状について詳しく解説します。

1. 時間のズレが頻発する(日差±30秒以上)

時計の時間が狂いやすくなった場合、ムーブメント内部の潤滑油が劣化し、歯車の摩耗が進んでいる可能性があります。

正常な精度の目安

  • 機械式時計:日差±10秒以内(クロノメーター認定モデルは±2秒以内)
  • クォーツ時計:月差±15秒以内

時間のズレが発生する原因

  • 潤滑油の劣化:油切れによる摩擦増加
  • 歯車の摩耗:ムーブメント内のギアが摩耗して精度が低下
  • 衝撃による歪み:時計を落とした衝撃で内部のバランスが崩れる

放置するとどうなる?

✔ 精度がさらに悪化し、時間のズレが日差1分以上になる
✔ 部品が摩耗しすぎると、歯車交換などの修理費用が高額になる

対策日差±30秒以上になったら、オーバーホールを検討しましょう。

2. リューズが固い・操作時に異音がする

リューズを回したときに固く感じる、またはカチカチと異音がする場合、内部の潤滑油切れや歯車の摩耗が原因の可能性があります。

リューズ異常の原因

  • リューズ軸の油切れ・摩耗:動作がスムーズでなくなる
  • 歯車の噛み合わせ不良:異音が発生する
  • リューズワッシャーの劣化:巻き芯が正常に動かない

放置するとどうなる?

✔ リューズの操作性が悪化し、巻き芯の破損につながる
✔ リューズ交換が必要になり、修理費用がかさむ

対策手巻き時計のリューズ操作が普段より固く感じる場合、早めの点検がおすすめです。

3. 文字盤内が曇る・ガラスが結露する

時計のガラス内部に曇りが出たり、結露が発生する場合、防水パッキンの劣化が進んでいる可能性があります。

曇り・結露の発生原因

  • 防水パッキンの劣化:湿気がムーブメント内部に侵入
  • リューズの緩み:気密性が低下し、水分が入りやすくなる
  • 急激な温度変化:サウナや冷房の効いた室内から屋外へ出た際に発生

放置するとどうなる?

ムーブメント内部にサビが発生し、故障リスクが高まる
精度が低下し、部品交換が必要になる

対策曇りや結露が発生したら、すぐに時計修理専門店で点検を依頼しましょう。

4. パワーリザーブが極端に短くなる

自動巻き時計は通常の使用でゼンマイが巻き上げられ、40〜70時間ほど動き続ける設計ですが、持続時間が著しく短くなる場合、内部に異常が発生している可能性があります。

代表モデルのパワーリザーブ

  • ロレックス「サブマリーナ」:約70時間
  • オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク」:約60時間

パワーリザーブが短くなる原因

  • ゼンマイの劣化:巻き上げ力が弱くなる
  • ローター軸の摩耗:自動巻き機構が正常に機能しない
  • 潤滑油切れ:ムーブメントの回転がスムーズにいかない

放置するとどうなる?

ゼンマイが完全に切れてしまうと、時計が動かなくなる
ローターから異音が発生することもあり、修理費用が高額になる

対策パワーリザーブの持続時間が半分以下になったら、オーバーホールを検討しましょう。

オーバーホールは時計を守るための重要なメンテナンスですが、費用や所要時間はブランドごとに異なります。予算・スケジュールを把握し、目安を持った上でオーバーホール依頼ができるよう、次のセクションではブランドごとのオーバーホール費用・期間・サービス内容を解説します。

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オーバーホールをしないと生じる6つのリスク

時計のオーバーホールを怠ると、目に見えない内部で劣化や摩耗が進行し、思わぬトラブルにつながります。「まだ動いているから大丈夫」と思って放置していると、修理不能になったり資産価値が大きく下がる可能性も。
ここでは、オーバーホールを怠った場合に生じる6つのリスクについて詳しく解説します。

オーバーホールをしないと生じる6つのリスク,Asia Watch Trade

それでは、それぞれのリスクについて見ていきましょう。

① 時計の精度低下(進み・遅れが頻発)

オーバーホールを怠ると、最も早く現れるのが時計の精度低下です。購入当初は正確だった時計も、定期メンテナンスを行わないと徐々にズレが生じ、日常使いに支障をきたすようになります。

原因:オイル切れ・歯車摩耗

ムーブメント内部では、歯車や軸受けに専用の潤滑油が塗布され、摩擦を抑えながらスムーズに動作する仕組みになっています。しかし、3〜5年を過ぎると油が乾燥・酸化し、粘度が変化これにより金属同士が直接摩擦を起こし、次のような異常が発生します。

摩擦による症状

  • 時間のズレ(日差が大きくなる)
    ±30秒以上のズレが生じ、精度が安定しなくなる。
  • クロノグラフ機能の動作不良
    針が滑らかに動かず、引っかかる・遅延が発生する。
  • パワーリザーブ不足
    フル巻き上げしても、稼働時間が短くなる。

精度のズレが進行するとどうなる?

  • 時間調整の頻度が増え、使いづらくなる
    1日に数十秒単位でズレるようになり、頻繁な時刻修正が必要になる。
  • 放置すると、歯車やゼンマイに負荷がかかり破損につながる
    ズレの原因となる摩擦や異常な抵抗が内部で発生し、部品の寿命が短くなる。
チェックポイント特にロレックスやオーデマ・ピゲのようなクロノメーター認定モデルでは、日差±5秒以内が理想的な精度とされています。±10秒以上のズレが頻発するようなら、オーバーホールのタイミングです。

②錆(サビ)の発生による故障

時計は精密機械であり、内部に錆が発生すると歯車の動きが悪くなり、最悪の場合、ムーブメント全体が停止する原因になります。見た目では問題がなくても、内部ではサビが徐々に広がり、取り返しのつかない状態になることも。

原因:パッキン劣化による湿気侵入

時計の防水性能は、ケース・裏蓋・リューズ部分のゴムパッキンによって保たれています。しかし、このパッキンは経年劣化で硬化・ひび割れを起こし、湿気の侵入を許すようになります。

特に以下のような環境で時計を使用・保管している場合、サビが発生しやすくなるため注意が必要です。

サビが発生しやすい環境

  • 防水時計でもメンテナンスなしで長期間使用
    パッキンが劣化し、隙間が生じる
  • 海水で使用後に水洗いしていない
    塩分が金属を腐食し、サビの進行を早める
  • 湿度の高い場所(浴室や夏場の車内など)に保管
    湿気が時計内部に残り、歯車が酸化

サビの進行で起こるトラブル

  • 針や歯車が動かなくなる
    主要パーツが腐食すると、正常に動作しなくなる
  • リューズやプッシャーの動作が固くなる
    内部のサビが広がると、リューズやクロノグラフの操作が困難になる
  • 内部パーツの交換が必要になる
    進行がひどい場合は、オーバーホールではなくムーブメントごと交換が必要になるケースも
対策リューズを引いた状態では、防水機能が一時的に無効になって湿気が入りやすくなります。時刻合わせ後は、リューズをしっかり締める習慣をつけましょう。

③部品の摩耗・破損

時計のオーバーホールを怠ると、ムーブメント内部の歯車・ゼンマイ・軸受けなどの部品が摩耗し、最終的には破損に至ることがあります。
特に機械式時計は長期間使用することでパーツ同士の摩擦が蓄積し、時計の動作に支障をきたすため定期的なメンテナンスが欠かせません。

原因:油切れと摩擦の蓄積

時計のムーブメントは、極小の歯車や軸受けが連動して精密な動作を行う構造になっています。
この部品同士の摩擦を軽減するために、ムーブメント内部には専用の潤滑油が使用されていますが、オーバーホールを怠ることで次のような現象が発生します。

油切れによる症状

  • オイルが劣化・蒸発
    摩擦が増え、部品同士が削れやすくなる
  • 歯車の歯先が摩耗・欠損
    時間のズレや動作不良につながる
  • ゼンマイに微細な亀裂が入る
    パワーリザーブの低下や巻き上げ不良を引き起こす

摩耗・破損による症状

摩耗や破損が進むと、時計の動作に次のような異常が現れます。

  • クロノグラフのプッシャーが固い
    摩耗により部品の噛み合わせが悪くなり、押しても反応しにくくなる
  • 秒針が飛び飛びで進む
    歯車の歯が摩耗・欠損し、スムーズな動作ができなくなる
  • ローターが異音を発する
    自動巻き機構のベアリングが摩耗し、異音や巻き上げ不良が発生
注意特にパテックフィリップの永久カレンダーやリシャールミルのトゥールビヨンなど、高精度なムーブメントを搭載したモデルは、一つの歯車が摩耗するだけで修理費が数十万円単位になることもあります。
定期的なオーバーホールを行い、部品の摩耗や摩擦を防ぐことで、大切な時計を長く維持することができます。

④資産価値の低下

高級時計は、オーバーホールを適切に行い「メンテナンス履歴」を残すことが資産価値維持の鍵となります。特に、ブランドの公式メンテナンスを受けた記録があるかどうかで、二次市場での買取価格に大きな差が生じます。

原因:メンテナンス履歴の欠如

オーバーホールの履歴がない時計は、「内部状態が不明」という理由で査定額が大幅に下がる可能性があります。特に、正規メンテナンスを受けていない時計は、買取業者がコンディションを正確に判断できず、評価が厳しくなる傾向があります。

正規サービスでのオーバーホールのメリット

  • 「国際サービスギャランティーカード」「メンテナンスレポート」が発行され、履歴が明確になる
  • 内部の純正部品の交換が記録され、品質が保証される
  • 正規のメンテナンスを受けていれば、ブランドのアフターサービスが継続可能

履歴がない場合のデメリット

  • 状態が不明なため、買取価格が大幅に下がる
  • 非正規の修理履歴があると、メーカーによるメンテナンスを拒否される場合がある(特にパテックフィリップやリシャールミル)
  • 外装仕上げ(ポリッシュ)の質が悪いと、ケースやラグの形状が変わり価値が低下する

ブランドごとのメンテナンス履歴の影響

ブランドによって、オーバーホールの履歴が資産価値に与える影響は異なります。

・ロレックス、オーデマピゲ

  • メンテナンス履歴があると査定額が数十万円単位で変わることがある
  •  正規メンテナンスが望ましいが、信頼できる専門業者の履歴があれば大きな問題にはならない

・パテックフィリップ、リシャールミル

  •  非正規のメンテナンスを受けると、公式のオーバーホールを断られるケースあり
  •  永久カレンダー・トゥールビヨンなどの高額モデルでは、正規履歴の有無で買取価格が数百万円単位で変わることも

長期的に時計を資産として維持したい場合、オーバーホールの履歴をしっかり管理し、価値を落とさないためのメンテナンスを意識することが大切です。

⑤ 防水性能の低下と内部浸水

オーバーホールを怠ると、防水時計であっても内部に湿気や水が侵入しやすくなるリスクがあります。時計の防水性能は永久的ではなく、経年劣化によって徐々に低下していくため、定期的なメンテナンスが必須です。以下の点を意識しておきましょう。

原因:防水パッキン・シールの劣化

防水時計の密閉性は、裏蓋・リューズ・プッシュボタン部分に設置されたゴムパッキンやシーリング材によって保たれています。しかし、時間の経過とともに劣化し、次のような3つの問題が発生します。

  • パッキンの硬化・ひび割れ
    防水性能が低下し、湿気が侵入して錆の原因になる
  • シールの劣化
    内部に湿気が入り、文字盤が曇ったり、ケース内部で結露が発生する
  • リューズ部の摩耗
    時刻合わせを頻繁に行うことで、リューズ内部のパッキンが擦り減り、隙間ができる

防水時計の浸水リスクと対策

  • 防水時計でも経年劣化によって浸水リスクが高まる
  • 湿気や水が侵入するとムーブメントの腐食につながり修理費用が高額に
  • 防水テストを定期的に受けることでトラブルを未然に防ぐ
特に注意すべき環境・高温多湿の地域海水を伴う環境
塩分がパッキンを劣化させやすい・ダイバーズウォッチ
長期間オーバーホールせずに使用(推奨は2〜3年ごとのメンテナンス)・リューズを開けた状態で放置
湿気が入りやすくなるため、時刻合わせ後はしっかり締める

防水性能を維持する3つのチェック項目

オーバーホールを行う際には、防水テストを実施し、必要に応じてパッキンやシールを交換するのが望ましいです。

◆防水テストの3つのチェック項目

✔ ケース内部の気密性の確認(エア圧試験)
✔ 防水パッキンの劣化チェックと交換
✔ リューズの操作感の確認(摩耗や緩みがないか)

◆メーカー推奨の防水メンテナンス頻度

  • ロレックスのダイバーズウォッチ(サブマリーナ、シードゥエラーなど)
    2〜3年ごとに防水チェック推奨
  • パテックフィリップのアクアノート・ノーチラス
    3〜5年ごとのメンテナンスが理想

防水時計は、その性能を過信せず、定期的なオーバーホールと防水テストを行うことで、本来の耐久性を維持できます。

⑥ 音の異常や動作不良

時計のムーブメントは非常に繊細な構造を持っており、わずかな不具合でも音や動作に現れます。異音や動作不良を放置すると、最終的には深刻な故障につながる可能性があるため、早めの点検が重要です。

原因:部品のズレ・金属粉の蓄積

ムーブメント内部の歯車や軸受けは、経年劣化や摩耗により金属粉が発生します。この金属粉が部品の間に入り込むことで、以下のような異常が発生することがあります。

金属粉による不具合

  • 「カチカチ」音が大きい
    輪列の摩耗やオイル切れにより、通常よりも大きな動作音が発生
  • 秒針が止まりがち
    脱進機(時計の動作を制御する機構)に金属粉が詰まり、スムーズな運針ができなくなる
  • 自動巻きの巻き上げ不良
    ローター軸が摩耗し、動作効率が低下

異音や動作不良は早期発見がカギになりますので、下記を意識しましょう。

POINT・時計を耳に近づけて、通常と異なる音がしていないか確認する
・音の変化を感じたら、専門業者に点検を依頼する
・早めのオーバーホールで、大きな故障を未然に防ぐ

異音や動作の違和感は、時計の健康状態を示すサインです。気になる異変があれば放置せずに専門業者へ相談しましょう。

とはいえ、高いお金を払ってオーバーホールをするのであれば、そのあとはさらに大切に扱っていきたいと思いますし、何度も何度も出費を重ねてメンテナンスをするのも避けたいと思います。
そこで次では、オーバーホール後に時計を長持ちさせる日常習慣についてご紹介します。もちろんオーバーホール前でも、今日からすぐにできるポイントもありますので、ぜひ意識して見てくださいね。 

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オーバーホール後に時計を長持ちさせる3つの習慣

時計を守るための3つの日常習慣,Asia Watch Trade

オーバーホールを終えた時計を長く快適に使い続けるには、日常的なケアが欠かせません。ここでは、時計を長持ちさせるために押さえておくべき3つの習慣(ポイント)を解説します。

① 磁気環境を避ける

時計のムーブメントには、金属製の歯車やゼンマイが精密に配置されています。これらのパーツが強い磁気にさらされると、動作不良や時間のズレを引き起こす原因になります。

影響を受けやすい場面

  • スマートフォン・タブレットのスピーカー部分に近づける
  • パソコンの周辺やワイヤレス充電器の上に置く
  • IH調理器や電子レンジの近くで使用する

症状の例

  • 時計が急に遅れる、または進む
  • 時間が不安定になり、日差が大きく変動する

予防策

  • 時計を磁気源の近くに置かない
  • 耐磁ケースに収納する
  • 強力な磁場のある場所では、時計を外しておく

近年のモデルでは耐磁性能を備えた時計も増えていますが、日常的に磁気源から離して保管する習慣をつけることが大切です。

② 定期的に時計を動かす

時計は使用せずに放置すると、ムーブメント内の潤滑油が劣化・固着し、精度低下や動作不良の原因になります。

機械式時計の特性

  • ムーブメントの歯車やテンプが動かない状態が続くと、潤滑油が固まる
  • 油の粘度が変わり、摩擦が増加することで部品の消耗が進む

推奨するケア

  • 月に1回はリューズを巻いてゼンマイを完全に巻き上げる(手巻き・自動巻き問わず推奨)
  • 使わない期間が長い場合は、ワインディングマシーンを活用する

メリット

  • 潤滑油が均等に循環し、部品の摩耗や劣化を防げる
  • 精度が安定しやすくなり、使用時の違和感が少なくなる

数ヶ月間放置していた時計を使い始める際に、時間のズレや異音が発生することがあります。定期的に動かしてムーブメントを健康な状態に保ちましょう。

③ 湿気を避けて保管する

時計の内部に湿気が入り込むと、ムーブメントのサビや部品の劣化が進行します。特に防水機能付きの時計でも、リューズが完全に閉じていなければ湿気が侵入するリスクがあります。

高湿度環境の例

  • 浴室・サウナ・温泉施設:急激な温度変化による結露のリスク
  • キッチン周辺:蒸気や油分による影響
  • 梅雨時や高温多湿の時期:湿気がこもりやすい

湿気の侵入を防ぐ3つの習慣

① 時計を外す際は、必ずリューズを押し込んで閉じる
② 湿気の多い環境では着用を控える
③ 年1回、防水性能をテストして劣化したパッキンを交換する

湿気対策のポイント

  • 乾燥剤を入れた時計用ケースに収納する
  • 保管場所は直射日光が当たらない、温度変化の少ない場所を選ぶ
  • 防湿庫やシリカゲルを活用して湿度管理を行う

特に夏場や梅雨時は湿度が高くなりやすいため、時計の状態をこまめに確認し、適切な保管環境を維持することが大切です。

時折、「防水機能が高い時計でも大丈夫」と考える方もおられますが、防水機能の有無にかかわらず湿気は避けるようにしましょう。お風呂上がりのほてった状態で、すぐに時計をつけるのも避けていただく方が良いです。

では、逆に複数本の時計を使い分けていたり、使わないまま保管したい…など、“使わない時計”が出てくる場合は、どのように長持ちさせたらいいのかをご紹介します。

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時計を使わないときの適切な保管方法:4つのポイント

時計を保管するときの4つのポイント,Asia Watch Trade

オーバーホールを終えた時計を長く使うためには、「使わない期間の保管方法」も大切です。誤った保管をすると湿気や摩耗によるダメージが蓄積し、次に使うときに不具合が発生することもあります。

1. 時計を使わない期間ごとに最適な保管方法を選ぶ

時計を長期間使わない場合、適切な保管方法を取らないと、湿気や磁気の影響、オイルの劣化などにより、次に使用する際にトラブルが発生する可能性があります。
保管期間に応じた適切な方法を選び、大切な時計を長持ちさせましょう。

◆期間別の時計の保管方法

1週間以内 トレーやクッションで保管し、傷や衝撃を防ぐ
1ヶ月以上 時計ケースやボックスに収納し、湿気対策やゼンマイの稼働を意識する
半年以上 防湿庫や金庫で温湿度管理を徹底し、定期的に動かしてオイルの固着を防ぐ

では、それぞれの期間に合わせて詳細を見ていきましょう。

 

短期間(1週間以内):傷や湿気から守る

1週間以内の短期間であれば、時計は「すぐに使える状態」を維持しながら、傷や湿気から守ることが重要です。

推奨される保管方法◼︎時計専用のトレーやクッションの上に置く
時計同士がぶつからないよう、専用トレーやクッション付きのケースを活用しましょう。直接テーブルなどに置くと、裏蓋やブレスレットに細かい傷がつくため避けてください。◼︎衝撃や傷を防ぐため、時計同士を重ねない
特に複数本の時計を持っている場合、重ね置きは厳禁。ブレスレットやケースが擦れて傷がつく原因になる。◼︎直射日光や高温多湿を避ける
日差しが強い窓際や湿度の高い浴室・キッチンの近くでの保管はNGです。防水時計であっても、長時間湿気の多い環境に放置すると内部のパッキンが劣化してしまいます。

 

中期間(1ヶ月以上):湿気と磁気対策が必須

1ヶ月以上使わない場合は、短期間とは異なり、湿気・ホコリ・磁気から時計を守ることが重要になります。

推奨される保管方法◼︎時計ケースやボックスに収納する
トレーの上に放置せず、専用の時計ケースやボックスに入れることで、衝撃やホコリの付着を防ぎます。◼︎収納前にクロスで拭き、皮脂やホコリを除去
腕時計は使用後、目に見えない皮脂やホコリが付着するため、そのまま保管すると劣化が進むことがあります。特にレザーストラップの時計は、皮脂の蓄積で傷みやすいため、拭き取りが必須です。◼︎湿気対策として乾燥剤を入れる(定期的に交換)
時計ボックス内には、シリカゲルや防湿剤を入れて湿気をコントロールしましょう。ただし、乾燥剤の入れっぱなしはNG。数ヶ月ごとに交換する必要があります。

◼︎定期的にゼンマイを巻いてムーブメントを動かす
時計内部のオイルが固まらないよう、1ヶ月に1回程度はゼンマイを巻いてムーブメントを稼働させましょう。リューズを巻く際は、無理に巻き上げず、軽く動かす程度でOKです。

長期間(半年以上):環境管理を徹底し、ムーブメントの劣化を防ぐ

半年以上使わない場合、時計は「長期間動かない状態」になるため、オーバーホール時の注意点と同じく、環境管理を徹底する必要があります。

推奨される保管方法◼︎金庫や防湿庫で保管し、温度・湿度管理を徹底する
湿気の影響を受けやすいので、防湿庫(ドライボックス)や金庫を活用し、一定の湿度・温度を保ちましょう。
乾燥しすぎるとパッキンが劣化しやすくなるため、湿度40〜50%の環境が理想です。◼︎ゼンマイの負担を減らすため、完全に巻き上げずに保管する
長期間巻き上げたままだと、ゼンマイに負荷がかかり続けるため、軽く巻いて止めておくのが理想です。
手巻き時計の場合は、完全にゼンマイを巻き切らないよう注意しましょう。◼︎3〜6ヶ月に一度は動かして、オイルの固着を防ぐ
使わずに放置すると、ムーブメント内のオイルが固着するリスクがあるため、3〜6ヶ月に1回はリューズを巻き、短時間稼働させましょう。
リューズ操作が固くなっていたら、無理に巻かずにオーバーホールを検討してください。

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まとめ

時計のオーバーホールは、種類や使用環境によって適切な頻度が異なります。メンテナンスを怠ると精度の低下や部品の摩耗が進み、最悪の場合、修理不能となるリスクもあります。以下のポイントを押さえ、適切なオーバーホールを行いましょう。

時計タイプ別オーバーホールの目安

  • 機械式時計(自動巻き・手巻き):3〜5年ごと
  • クォーツ時計(電池式):7〜10年ごと
  • アンティーク時計(ヴィンテージ):2〜3年ごと
  • 特殊モデル(クロノグラフ・トゥールビヨン):4〜5年ごと
  • 高湿度・海水環境での使用:2〜4年ごと

オーバーホールを検討すべき4つのサイン

  1. 時間のズレが日差±30秒を超える
  2. リューズの操作感に違和感や異音がある
  3. 文字盤内に曇りや結露が発生する
  4. パワーリザーブが通常より短くなる

オーバーホールをしないと起こるリスク

  • 精度低下(時間のズレ・遅れ)
  • 錆や摩耗による部品破損
  • 防水性能の低下による浸水リスク
  • メンテナンス履歴がないことで資産価値が下がる

時計を長持ちさせる3つの習慣

  1. 磁気の影響を避ける(スマホ・PC・スピーカーの近くに置かない)
  2. 定期的に時計を動かす(長期間使わない場合も、ゼンマイを巻いて稼働させる)
  3. 湿気を避けた適切な保管をする(乾燥剤を使用し、防湿管理を徹底)

オーバーホールは、時計の寿命を延ばし、精度を維持するための重要なメンテナンスです。「まだ動いているから大丈夫」と油断せず、定期的なメンテナンスを行うことで、大切な一本を長く愛用しましょう。

とはいえ、メンテナンスにもお金がかかりますよね。中には、正規店ではなく非正規店でのメンテナンスでもいいのかと迷ってしまう方もおられると思います。

下記記事では、ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、リシャール ミルのオーバーホール費用やメンテナンス期間、さらに正規店と非正規店のメリット・デメリットも解しています。ぜひ合わせてご覧ください。

▶︎【高級時計4大ブランド】オーバーホールの費用相場と業者選びのポイント◀︎

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