オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」は、独自のデザインと高精度なムーブメントを備えたモデルであり、オーバーホールの際には特に慎重な対応が求められます。
以下のポイントに注意しましょう。
✔ ケースやブレスレットのポリッシュは慎重に行う(過度な研磨は価値を下げる)
✔ 防水性能のチェックとパッキン交換を定期的に行う
✔ ベゼルのビス締め付けは適切なトルクで管理する
✔ ムーブメントの種類に応じて、3〜5年ごとのオーバーホールを実施する
✔ 正規メンテナンスを受けることで、資産価値を維持しやすい
それぞれを詳しくみていきましょう。
① ケース・ブレスレットの仕上げ(ポリッシュ)に注意
ロイヤルオークの最大の特徴は、八角形のベゼルとケース、ブレスレットのサテン仕上げです。この仕上げは非常に繊細なため、適切な技術を持つ職人でないと元の質感を損なうリスクがあります。
✔ 正規メンテナンスでは、オリジナルの仕上げを維持しながら研磨を行う
✔ 非正規業者の研磨によって、エッジが丸くなったり、サテン仕上げが均一でなくなることがある
✔ 買取査定時に、研磨が適切でないと価値が下がる可能性がある
特にロイヤルオークのブレスレットは、鏡面仕上げとサテン仕上げが組み合わさっているため、過度な研磨で本来のデザインが失われることがあります。正規店または経験豊富な専門業者を選ぶことが重要です。
② 防水性能の維持
ロイヤルオークは防水性のあるモデルも多いですが、防水性能は経年劣化で低下します。オーバーホール時には、防水テストとパッキンの交換が必要です。
✔ リューズやケースのパッキンが劣化すると、湿気が入りやすくなる
✔ 特にダイバーズウォッチ(ロイヤルオーク オフショアなど)は、2〜3年ごとの防水チェックを推奨
✔ 防水試験を行わない非正規業者では、防水性能を維持できない可能性がある
「まだ防水性能がある」と思って使い続けると、内部に湿気が入り込み、錆や腐食の原因になります。オーバーホールの際に必ず防水チェックを依頼することが重要です。
③ ネジやビスの締め付け
ロイヤルオークのベゼルは8本のビスで固定されており、締め付けの強さやトルク管理が重要です。
✔ 不適切なトルクで締めると、防水性能が低下する可能性がある
✔ 正規メンテナンスでは、専用工具を使用して適切なトルクで締め付けを行う
✔ 非正規業者では、締め付けが不均一になり、ケースの歪みが生じることがある
特に、オフショアモデルはケースが厚く、ビスのトルク管理がよりシビアになるため、正規メンテナンスが推奨されます。
④ ムーブメントのオーバーホール頻度
ロイヤルオークのムーブメントは、モデルによって異なりますが、一般的に3〜5年ごとのオーバーホールが推奨されます。特に薄型モデルやクロノグラフ搭載モデルは、通常の時計よりもメンテナンスが重要です。
ムーブメントタイプ | 推奨オーバーホール頻度 |
---|---|
標準的な自動巻き | 3〜5年ごと |
エクストラシン(薄型ムーブメント) | 4〜5年ごと |
クロノグラフ | 4〜5年ごと |
パーペチュアルカレンダー | 5年ごと |
✔ エクストラシン(超薄型ムーブメント)はパーツが繊細なため、慎重なメンテナンスが必要
✔ クロノグラフ機構は部品が多く、摩耗しやすいため、通常のムーブメントよりもメンテナンスが重要
✔ パーペチュアルカレンダーは精密な歯車構造を持つため、正規メンテナンスを受けるのが望ましい
⑤ 正規メンテナンスと非正規メンテナンスの違い
ロイヤルオークは構造が複雑なため、正規メンテナンスを推奨します。
項目 | 正規メンテナンス | 非正規メンテナンス |
---|---|---|
純正部品の使用 | すべて純正部品 | 業者によって異なる |
研磨・仕上げ | オリジナルの仕上げを維持 | 仕上げが変わる可能性あり |
防水テスト | 実施(パッキン交換あり) | 実施しない業者もある |
トルク管理(ビス締め) | 専用機器を使用 | 業者による |
保証 | 2年間の保証あり | 業者による(短いことが多い) |
資産価値 | 維持しやすい | 非正規履歴があると査定額が下がる可能性 |
正規メンテナンスでは、オリジナルの状態を維持しながら精密な調整を行います。非正規業者での研磨やメンテナンスが原因で、時計の価値が下がることもあるため慎重に選ぶことが重要です。
正規・非正規の違いや、オーバーホールの目安などについての情報は、以下のリンクから確認できます。
▶︎【高級時計4大ブランド】オーバーホールの費用相場と業者選びのポイント◀︎
▶︎【機械式3〜5年、クォーツ7〜10年】腕時計オーバーホール頻度・必要性◀︎
▶︎オーデマ ピゲ人気モデル「買取相場チャート」◀︎
・保証価格や実績データについては、下記リンクをご参照ください。
▶︎オーデマ ピゲの「最低買取保証・買取実績一覧」◀︎