時計のオーバーホール時に実施される外装研磨(ポリッシュ)は、時計の見た目を美しく保つためには有効な方法ですが、資産価値に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
✔ 外装研磨は時計の見た目を美しくするが、資産価値に影響する可能性がある
✔ 特にヴィンテージモデルや、オーデマ ピゲのロイヤルオークなどは研磨しない方が価値を維持しやすい
✔ 研磨する場合は、正規店での対応を選び、必要最小限にとどめるのが望ましい
① 外装研磨が時計の価値に影響する理由
外装研磨は、時計のケースやブレスレットの小傷を取り除き、新品のような外観に仕上げることが目的です。しかし、以下の理由から時計の価値が下がる可能性があります。
✔ ケースやラグの形状が変わる
研磨を繰り返すことで、ケースのエッジが丸くなる、ラグが細くなるなど、オリジナルのフォルムが損なわれることがある。
✔ ブランドの刻印や仕上げが薄くなる
特にロレックスやオーデマ ピゲのロイヤルオークのサテン仕上げなどは、研磨によって元の質感が失われる可能性がある。
✔ ヴィンテージモデルの価値が大幅に低下
ヴィンテージ時計は「オリジナルの状態をどれだけ保っているか」が重要視されるため、研磨を行うとコレクターからの評価が下がる。
② ブランド別の外装研磨の影響
ブランドによって外装研磨の影響度が異なります。
ブランド | 外装研磨の影響 |
---|---|
ロレックス | 研磨による価値低下は少ないが、エッジが丸くなると評価が下がる |
オーデマ ピゲ(ロイヤルオーク) | サテン仕上げが損なわれると価値が大幅に低下 |
パテック フィリップ | コレクター市場では「研磨歴なし」の方が高評価 |
リシャールミル | ケース素材(カーボンTPT・セラミック)が特殊なため、研磨が難しい |
✔ ロイヤルオークのヘアライン仕上げは、正規店でしか再現が難しく、専門業者での研磨は推奨されない
✔ パテック フィリップのカラトラバなどのヴィンテージモデルは、オリジナルのケースコンディションが価値を左右するため、研磨しない方が良い
✔ リシャールミルは、研磨不可のモデルが多いため、慎重に判断する必要がある
③ 外装研磨をするべきか判断するポイント
✔ 中古市場での価値を意識するなら、外装研磨は避ける
✔ 深い傷や凹みがある場合は、研磨によるリフレッシュも選択肢
✔ ロイヤルオークなどの特定モデルは、研磨を依頼する際に「サテン仕上げが可能か」を確認する
✔ 正規店での研磨を希望する場合、見積もりの際に「研磨なし」で依頼できるか相談する
時計の資産価値を重視する場合、研磨をせずに自然な経年変化を楽しむのも一つの選択肢です。オーバーホール時に研磨を依頼するかどうかは、慎重に判断しましょう。
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