サブマリーナの急騰は希少性(供給制約)に、パンデミック期の資金流入と投機的需要、定価改定や円安・CPO導入などの制度的要因が重なったといった要因があります。ピーク後は一部調整を経たものの、「相対的希少性」と「ブランドの強さ」が引き続き価格の底堅さを支えているのも特徴です。
POINT
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2020〜2022年に急騰、2022年春ごろに天井、その後2023年に調整、2024〜2025年はコロナ前より明確に高い“高値安定”に移行
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原因は「構造的な供給制約 × パンデミック期の過剰流動性・投機化 × 定価改定の累積 × 通貨要因(円安など) × 公式の認定中古制度導入」の重層効果
なぜ急騰したか
まずは、国内・国外視点での急騰理由をみてみましょう。
◆国内市場視点
要因 | 内容 | 影響 |
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供給制約 | 正規店で入手困難、待機リストが常態化 | 中古・並行輸入に需要集中 |
定価改定 | 国内価格が複数回上昇 | 中古価格の下支え・切り上げ要因 |
円安 | 海外から見て日本の価格が割安 | インバウンド消費で国内在庫が流出 |
インバウンド需要 | 観光客の高級消費増加 | 国内需給が引き締まり相場が強含み |
認定中古制度 | 保証付き中古の普及 | 信頼性向上で価格下支え |
◆国際市場視点
要因 | 内容 | 影響 |
---|---|---|
世界的供給制約 | 生産数が限られ、需要に追いつかず | 全世界的にプレミア化 |
パンデミック期の資金流入 | 超低金利・余剰資金で高級時計が“実物資産”として注目 | 投機的需要の増加、価格急騰 |
リスク資産との連動 | 株式や暗号資産バブルと同調 | 相場高騰と調整を繰り返す |
ブランド集中 | サブマリーナなど定番モデルに人気集中 | 価格弾力性が高まりやすい |
認定中古制度 | 国際的に展開 | 良質個体の基準価格を安定させる効果 |
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供給制約
高品質な内製体制ゆえ生産上限が厳しく、人気モデルは正規店で入手が難化。一次市場の不足分が二次流通に流れて価格を押し上げた。 -
パンデミック期の資金流入と“資産化”認識
超低金利と余剰資金の拡大で、高級時計が“着けられる実物資産”として買われ、短期転売(フリップ)需要も重なって上昇圧力が増幅。 -
マクロ相場との循環
株式・暗号資産などリスク資産の上昇期と歩調を合わせて需要が膨らみ、逆にリスク資産が失速すると調整が入る傾向。 -
定価改定(上方)
複数回の定価引き上げで“理論的な下値”が切り上がり、並行・中古のベース価格を押し上げた。 -
認定中古制度の導入
公式保証付き中古が普及し、良質個体の価格に安心感が上乗せ。真贋・状態の不確実性が縮小して“下支え”に。 -
ブランド集中とアイコン偏重
時計全体の需要が広がるなかでも、サブマリーナのような“誰もが知る定番”に資金が集中しやすく、上げ下げともに弾力性が高まった。 -
日本固有の通貨・観光要因
円安で日本の店頭・中古が相対的に割安となり、インバウンド消費と越境取引が増加。国内から海外への流出圧力が高まり、需給が引き締まった。
時系列の流れ(2019→2025)
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2020–2021:在庫薄と待機リスト常態化。超緩和・投機化で二次流通が沸騰し、ステンレススポーツが一斉高騰。
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2022年春:実勢は天井感。金利上昇と投機後退で相場は“加熱の整理”へ。
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2023年:需給と価格が正常化方向。高騰分の一部が巻き戻り。
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2024–2025年:定価改定・認定中古の浸透・円安などが重なり、高値圏での安定推移に移行。
定量の目安
※モデル差・状態差が大きい前提での“相場観”
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コロナ前比:中古実勢の中央値で概ね +30〜60%程度の上振れが残存
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ピーク時(2022年前半):正規定価比で +50〜100%超のプレミアムが散見
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調整局面(2022後半〜2023):ピークから −10〜25%程度の下落が一般的
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現状(2024〜2025):ピーク比で数%〜十数%低いが、コロナ前比では明確な高水準
日本市場の着眼点
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円安が続く局面では、国内の良個体が海外需要に吸収されやすく、国内相場は“下値が固い”構造になりやすい
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定価改定の頻度・幅が中古の指値に波及しやすい
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認定中古の普及で“保証の有無・期間・付属品の完備度”による価格二極化が進行
今後の価格に効く変数
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供給:新拠点の稼働や生産能力増強の進捗
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需要:金利、株式・暗号資産の循環、旅行需要、円相場
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制度:認定中古の拠点拡大、保証条件の標準化、真贋対策の高度化
モデル別の温度感
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ノンデイト(40/41mm):王道かつ入手難度が高く、相対的に底堅い
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日付ありの黒×黒(通称“黒サブ”):流通量は多いが需要も厚く、状態・付属で価格差が大きい
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緑ベゼル系(いわゆる“グリーン系”):話題性と供給の兼ね合いでボラティリティが高め
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